溜透かし

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溜透かしの誕生

溜透かしとは蒔絵の上に溜塗を施す技法です。透き漆はやや黄色味を帯びた半透明の漆ですが、時間の経過とともに透明になってきます。溜塗や溜透かしを施すことで、下塗りの色や蒔絵の色彩が鮮やかになっていく、そんな経年変化を楽しむことが出来ます。

今作は、「わびさび」と「金継ぎ」のように物を大切にし修復することで新しい芸術的価値を見出す精神から生まれました。 そのため、軸本体に小さな傷が見えることがあります。上から溜塗を施すことでそれらも芸術の一部として表現しておりますのでご了承ください。

困難とひらめき

芸術を発見する旅は、常に試行錯誤に満ちた困難の連続です。 しかし、その一つ一つが作品を生み出す上で重要な要素であるため、私たちはそのすべてを大切にしています。 そのため、たとえ不完全な作品であっても、その不完全さを受け入れ、そこから新たな価値を創造することを常に求められているのです。 ライジングサンコレクションは困難を乗り越え生まれた作品なのです。

天然の木材への金箔や蒔絵を施した作品はとても魅力的です。 しかしながら、素材の特性上、すべてを滑らかに仕上げることは難しいという問題点もありました。 木目による凹凸や、金箔を貼った後の小さなひび割れなど蒔絵で仕上げる前で中断してしまう作品もありました。

溜透かし:日本各地とのコラボレーション

今回、これらの不完全な作品に「溜透かし」を施すことで新たな作品としてよみがえらせました。 日本の美意識である「わびさび」や「金継ぎ」の精神に則り、会津の職人の手によって溜透かし塗りを施された万年筆。

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やや茶褐色の透き漆は時間が経つごとに透明感を増します。そのため漆の下にある蒔絵も経年変化で表情を変え、いつまでも楽しむことが出来るでしょう。

世界溜透かし万年筆